べにきち

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日本民芸館展

美ら海水族館の方にご依頼いただいて(夫が)、漁のついでとかに展示用の生き物を捕ることになりました。

なんだか非常に面白そうなので、初回は私も一緒に探しに行きました。

そうしてこないだ初めて納めたのがこのマンジュウヒトデ。

 

で、ついでに潜って虫取り網でとれる魚を何匹か獲って「展示に使えるやつありますか?」と聞くと、

ワカヨウジ(長いやつ)は餌が分からないので飼育できないとのこと。ミノカサゴは足りている。真ん中のシマヒメヤマノカミ(ミノカサゴに似ているやつ)はほしい、とのこと。シマヒメヤマノカミって初めて聞いた。

半日かかってOKが出たのがこの2匹。いやー、いい運動になった。

このとき、クモガイも注文があったので探していたら、スイジガイがいたので「似たようなもんでしょ」と捕ったら、「スイジガイはいつの間にか死んでいるからだめ」とのこと。

こういう一つ一つの理由がいちいち「へえーーーへえーーー」となって面白いです。

美ら海水族館でマンジュウヒトデを見かけたら、「べにきちさんが捕ったやつ!かも」と思っていただけたら。

 

 

 

今日から日本民芸館展が始まっています!

 

久しぶりの民芸館への出品、今回は「波間にユウナ」を出してます。

 

以前のデザインをちょっとアレンジして型紙を彫りなおしています。

 

今回のデザインと染め上がり、意図以上の仕上がりになりました。

 

 

つけたらこんな感じ。グレーのシンプルな着物なんかに合いそうですね。紺もいいかなあ。

染めあがると大抵午前中に蒸して午後から水洗いして、晩御飯を食べた後工房に乾き具合や仕上がりの様子を見に行って、「なるほど」とか思うのですが、今回は見た瞬間「いい!」と声に出して言ってました。

でもまあその時のテンションなどもあるので、翌日や数日後にもまた広げて、「この色はもう少し淡くても良かったかな」とか「この隈取は成功だな」とか淡々と振り返るのですが、今回は改めて見てもしみじみ「きれいだしかわいいし散りばめられていて楽しげだし何より色がいい!地の色も最高!」と自画自賛しました。

その後工房に来る人来る人に「すごくいいのができたんですよ!」と自慢してました。

つくった本人に「すごくいいのができた」と言われたら褒めるしかないですよね。

手離したくないなあと思える作品です。

展示は25日までなので、機会がありましたら是非お立ち寄りください。

 

 

 

いよいよ年末が近づいてきましたね。

今年最後に、べにきちオンラインショップに「ツルとカメ」のタペストリーを追加しました。

この時期に出そうと取っておいたものです。

お正月から春にかけてピッタリの、めでたくて華やかなデザインです。

 

 

 

上質の麻生地に染めています。

 

 

 

2パターンの配色があります。

毎回配色を変えてみるのですが、どちらもいいバランスで染めあがりました。

色は光の具合でガラリと変わるので、必ず日中の決まった場所、決まった光の下で作ります。

それでも翌日「あれ?こんな色だっけ?」といまだになることもあるので、難しいです。

好みもあるので何が正解かはひとそれぞれなのでしょうけど、私が思う色を探す連続です。

どんな色にしたいか分からなくなったときは、紅型の図録はじめ、色々な作品を見て参考にします。

人の作品を見るとき、「ああ、この人はこの人の正解でやってるんだなあ」と分かるものがあって、そういう作品は好みは関係なくいい作品だと思います。

 

 

 

工房では、今年中にやっておきたい仕事を一気に進めています。

その合間に、テスト用に託していただいた芭蕉布に「南国花模様」を染めています。

染めるとき筆が結び目(芭蕉布は繊維を紡ぐのではなく結びます)にポツポツ当たる感触があって、「1つ1つ手で結んだんだなあ」と緊張します。

仕上がりがとても楽しみです。

 

 

これが今年最後の更新になるかと思われます。

今年は展示会と公募展の1年でした。公募展で飾っていただけることで、少しは反響があった気がするので、来年も出せたらいいなあと思っていますが、時間が取れるかどうか。面白そうな打ち合わせがいくつか進んでいるので、そちらも楽しみです。東京でのいつものタイミングの展示会はもう決まっています。まずは2月のビームスさんの展示会がスタートになると思います。

という感じです。

来年も、どうぞよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください!

 

 

2022.12.10