べにきち

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べにきちテキスタイル商品

私の作品は、とにかく色と形にこだわっています。

「紅型の技法は表現のための手段であって、目的ではない」と常々言ってきましたが、手染めの商品は高額なこと、そして量産できないので、せっかく生み出したデザインなのに生産がごくわずかなことを、常々残念に思っていました。もっと多くの方に気軽に手にしていただきたい。

それで、べにきちでは以前から「プリント商品をつくろう」と構想を練っていたのですが、実際プリント試作を重ねた結果、紅型をそのままプリントにしたところで、手染めの発色や繊細さに勝る布は出てきませんでした。

「これどうするんだよ」の数々のプリント試作


そこで、「べにきちの紅型を忠実に布にプリントで再現することを目指す」のではなく、「べにきちの紅型デザインを使って新たに生み出すテキスタイル」と考えることにしました。紅型の印象にこだわらず、テキスタイルデザインとして素敵なものをつくろうと思ったのです。

改めて生地選びからスタート。


生地・プリント技法・デザインの相性を幾通りも検討しました。

今回選んだ生地は、綿麻混合の生成り感の強い厚手の生地です。

ネップや麻の繊維の毛羽立ちが味わい深く、天然素材らしい素朴な印象の生地です。

デザインは生地に合わせてトーンを落としました。

また、厚手の生地のおおらかさに合わせて、思い切ってデザインを拡大することで、よりテキスタイルとして完成された仕上がりになりました。

そうして布が完成すると、その布を使って形にしたいもののイメージも湧いてきました。

第一弾はトートバッグです。

左から、「熱帯魚」「南国花模様」「琉球の魚」

「べにきちテキスタイルを生かしたシンプルで実用的なつくり」「明るい気分になる」というイメージで形にしました。

テキスタイルが引き立つよう、持ち手や裏地を思い切ってカラフルな色にしています。明るい色ですが、絶妙にくすみを感じる味のある色です。



原画より少しトーンを落として、身に着けるのにちょうどいい色合いにしました。
こだわりのプリント技法で、手染めのように色が違和感なく生地に馴染んでいます。


裏地には8号帆布を合わせて、しっかりしたつくりになっています。

内側にオープンポケットが3つ、上部はファスナー使用で、実用性も抜群です。

マチのあるファスナー仕様なので、荷物もたくさん入ります。

「べにきちトート」は、べにきちオンラインショップと、4月オープン予定のべにきち直営店でご購入いただけます。

「南国花模様」と「熱帯魚」は柄の出方が少しずつ違います。また、裏表で柄の出方が違うので、どちらの面も楽しんでいただけます。



「琉球の魚」はどれも柄の出方が違うので、どれも1点もの。




今後もテキスタイル・商品ともにラインナップを増やしていけたらと思っています。

ここまで完成させるのに、大変な時間と経費がかかりました。べにきちがスタートしたばかりの頃、京都のプリント工場に相談に行ったのが始まり。その頃はまだプリント技術も限られていたし、大量生産向けしかやってなかったので、スゴスゴ帰りました。しかも電車の乗り口が分からなくて路頭に迷ったという辛く悲しい思い出。まだスマホなんてない時代です。

先日ご紹介したパネル柄のトートバッグしかり、あれからどんどんプリント技術が進歩したのと、インターネットで一般の方や小規模事業者でも気軽に試せるようになったので、今回ようやくべにきちテキスタイルを実現することができました。

大変嬉しいです。




先日納品した帯「シーサー」ですが、早速(本当に早速)お客様が着けた様子を送ってくださいました。

お着物は久米島紬です!

後ろ姿、「あっ、シーサーだ!」となりますね。

ご存知の方も多いと思いますが、「きものカンタービレ♪」の朝香沙都子さんです。

いつもありがとうございます。

オレンジ系のお着物と青系の帯が引き立て合って素敵です!
久米島での「久米島紬展」にいらしたときの画像です。

久米島紬、色はもちろんですが、しみじみしたかわいらしさというか、物語を感じるような柄が好きです。

久米島紬展は久米島博物館にて今月16日まで開催されていますので、久米島にいらっしゃる方おられましたら(いるかな?)是非!

べにきち直営店の方は着々と準備が進んでます。

決済端末も注文済み。5年前は手動でカード決済してましたが、こちらもいつの間にか大変便利になりました。

特に問題なければ、4月の第一金曜日に淡々とオープンすると思います。

11時に開けて、夕方は犬の散歩に行かないといけないので、17時までかな。

そんなイメージです。


毎日犬の散歩に行くと、季節の移り変わりが感じられます。

沖縄は桜の季節。

いい眺めなのに、なぜかチムが嫌いな道。

真冬なのにハブの死骸。ビッグサイズでした。

2025.02.08